注意事項 : すでに筆者はこのサービスの利用を終了した. また当該サービスの新規加入受付は終了している. 過去に以下に示すようなサービスが提供されていたということの参考事例として頂きたい.
NTT 地域会社の提供する Flet's ADSL をアクセスラインとした 新エンタープライズ ADSL サービスの 開始 に伴い, 下記に示す現用のサービスは 2001年3月21日で新規加入受付を終了している. また2001年4月2日に同年9月30日での現行サービス終了を通告された. 新エンタープライズ ADSL サービスへの移行を推奨されている.
移行に際してだが
2000年8月現在インターネットへの接続手段として NTT-ME の提供する Enterprise ADSL 接続サービスを 利用している.
1ユーザとしての観点から ADSL によるアクセスサービスについて雑感を述べる.
電話回線を物理的に複数本確保できないために アクセスラインには従来回線と重畳させるサービスタイプ1を選択した. これにより利用料金が 1700 円減額される. しかしながら一般アナログ電話の方で1700円基本料金を請求される. 単一ドライカッパに対して課金される基本料金は単一ということであろう.
特に断りのない限り日付は 2000年.
作業行程に JPNIC への IP アドレスの割当て申請を含む エンタープライズ ADSL サービスにおいても おおむね申込みから開通までの期間は1ヶ月とのことである.
月額 26400 円(外税).
NTT ブランド(NEC からの OEM 品) の ADSL ルータが提供される.
SNMP にて ADSL ルータの情報を取得できるため MRTG にて帯域使用状況およびパケット遅延状況を 可視化 している.
ADSL フルレートのサブセット規格である ADSL G.Lite 規格(ダウンリンク1536kbps, アップリンク 512kbps)を さらにスペックダウンして使っている.
ダウンリンク 512kbps, アップリンク 224kbps. 実効帯域はさらにその 90〜85% 程度.
セカンダリ DNS の運用を請け負ってもらっている ns2.xephion.ne.jp に対して RTT 測定を行っている. 50ms 程度で安定している. 十分帯域が太いこともあり輻輳は殆んど起きていない模様.
ADSL と比べて十分太い帯域を持った国内のサイトから pathchar(8) にて帯域測定を行った.
計測始点の諸元
以下の実験ではそれぞれの計測に使用したホストが異なるため 厳密な比較対象にはならない. とはいえ NTT-ME のネットワークに入って以後の帯域は殆んど変わらないので およそ実態に近いであろうことが推測される.
開通直後の測定.
bird# pathchar 211.19.96.241 pathchar to 211.19.96.241 (211.19.96.241) mtu limited to 1500 bytes at local host doing 32 probes at each of 45 sizes (64 to 1500 by 32) 0 bird | 3.9 Mb/s, 442 us (3.97 ms) 1 new-entry | 6.2 Mb/s, 2.83 ms (11.6 ms) 2 210.249.162.229 (210.249.162.229) | 54 Mb/s, 120 us (12.0 ms) 3 210.141.236.62 (210.141.236.62) | 62 Mb/s, 539 us (13.3 ms), +q 1.02 ms (7.95 KB) 4 ttcn-gw2.ttnet.ad.jp (210.141.224.131) | 37 Mb/s, -121 us (13.4 ms) 5 202.249.2.27 (202.249.2.27) | ?? b/s, 486 us (14.3 ms) 6 203.139.182.201 (203.139.182.201) | 95 Mb/s, -75 us (14.3 ms), +q 1.10 ms (13.0 KB) 7 210.254.185.17 (210.254.185.17) | 181 Mb/s, 14 us (14.4 ms) 8 210.254.185.34 (210.254.185.34) | 195 Mb/s, 220 us (14.9 ms), +q 1.07 ms (26.3 KB) 9 210.175.161.141 (210.175.161.141) | 30 Mb/s, 346 us (16.0 ms), +q 1.17 ms (4.34 KB) 10 210.175.160.117 (210.175.160.117) | 24 Mb/s, 60 us (16.6 ms), +q 1.20 ms (3.64 KB) *2 11 tyo-m2.tyo-core2.ntt.net (210.175.160.74) | 28 Mb/s, 435 us (17.9 ms), +q 2.60 ms (8.98 KB) *2 12 210.175.161.122 (210.175.161.122) | 34 Mb/s, 183 us (18.6 ms), +q 2.34 ms (9.81 KB) *2, 3% dropped 13 phdsdnp1f0-0.nw.xephion.ne.jp (210.165.8.238) | 450 Kb/s, 23.3 ms (91.9 ms), 2% dropped 14 s096241.usr.xephion.ne.jp (211.19.96.241) 14 hops, rtt 57.5 ms (91.9 ms), bottleneck 450 Kb/s, pipe 5797 bytes
開通から約1ヶ月.
root@spider[3]% pathchar entry.adsl.cyber-magic.org. pathchar to entry.adsl.cyber-magic.org (211.19.96.241) doing 32 probes at each of 64 to 1500 by 32 0 localhost | 21 Mb/s, 410 us (1.39 ms) 1 new-entry | 6.0 Mb/s, 2.80 ms (9.00 ms) 2 210.249.162.229 (210.249.162.229) | 82 Mb/s, 153 us (9.45 ms) 3 210.141.236.62 (210.141.236.62) | 212 Mb/s, -5 us (9.50 ms) 4 210.141.224.140 (210.141.224.140) | 239 Mb/s, 15 us (9.58 ms) 5 202.249.2.111 (202.249.2.111) | 48 Mb/s, 192 us (10.2 ms) 6 203.139.182.222 (203.139.182.222) | 107 Mb/s, 323 us (11.0 ms) 7 203.139.182.233 (203.139.182.233) | 151 Mb/s, -27 us (11.0 ms) 8 210.254.184.57 (210.254.184.57) | 237 Mb/s, -6 us (11.0 ms) 9 210.254.184.90 (210.254.184.90) | ?? b/s, 291 us (11.6 ms) 10 210.175.161.141 (210.175.161.141) | 41 Mb/s, 135 us (12.1 ms) 11 tyo-gw4.tyo-nj.ntt.net (210.175.160.105) | 20 Mb/s, 337 us (13.4 ms) 12 tyo-m2.tyo-core1.ntt.net (210.175.160.42) | 30 Mb/s, 579 us (15.0 ms), +q 2.18 ms (8.13 KB) *2 13 210.175.161.122 (210.175.161.122) | 41 Mb/s, 280 us (15.8 ms), +q 1.92 ms (9.82 KB) *2, 3% dropped 14 phdsdnp1f0-0.nw.xephion.ne.jp (210.165.8.238) | 442 Kb/s, 23.4 ms (89.9 ms), 3% dropped 15 entry.adsl.cyber-magic.org (211.19.96.241) 15 hops, rtt 57.8 ms (89.9 ms), bottleneck 442 Kb/s, pipe 5313 bytes
たくさんホストがあるわけでもないのに なぜ Enterprise ADSL サービスを利用しているのかと聞かれるが 個人向けサービスと Enterprise サービスは以下の点が異なる.
- | WAKWAK | Enterprise |
位置づけ | 個人向け | 法人向け |
品質 | 低品質 | 高品質 |
月額料金(円)) | 6980 | 26400 |
アドレスブロック | /30 - 3 = 1 | /28 - 3 = 13 |
逆引き | wakwak.com | 任意設定可能 |
JPNIC にも登録された固定のアドレスブロックを割り当てられるので そのアドレスを使い正引きの DNS を立てることはできる. が 逆引きは NTT-ME の DNS によって提供される wakwak.com (ないし wakwak.ne.jp)である. 独立したドメインをもち独立性を重視する観点としてはこれは我慢がならぬ. SMTP でメールを投げるときに逐次 wakwak.com のホスト情報が ヘッダにはいるのは御免被る.
以上の思想的信条的理由により 月額利用料金が個人向けサービスの 4倍かかる Enterprise サービスを利用している. OCN エコノミーと比べた場合高速かつ月額料金は減っており 回線品質は遥かに向上しているので不満な点はない. また個人であっても企業向サービスを利用しているという事で 障害発生時にサポートに対しても強くでられるのも強みである.